【施術】受験鍼灸マッサージ

数年前から、受験生とその保護者の鍼灸マッサージを対応しています。特別なことはしていないつもりですが、改めて鍼灸マッサージで受験にどのように対応しているかを、大学受験を中心にまとめました

目次

受験生が抱えていた症状

これまで対応した受験キッズ(高校受験や浪人も含む)たちが悩んでいた症状です。

朝起きるのがつらい。
腹痛や頭痛が続く。
腰痛が悪化する。
肩こりがひどくて集中できない。
生理痛やPMSが悪化する。
集中できない。
イライラする。
手足の汗や冷えの症状が例年よりひどい。

高校3年生は夏休み前には受験生モードになり、受験が終わるまで続きます。その間、上のような症状を複数持つようです。

また学校に行くことが難しくなっているケースも珍しくありません。受験期間より前から学校に行けなくなった場合は、起立性調節障害や過敏性腸症候群などの不調も抱えているケースもあります。

受験対応はリラックスをサポート

これらの症状のいくつかは、病院でのケアが最優先です(その場合は受診をご案内します)。

一方で、受診をしても症状をゼロにすることは非常に困難だとも感じます。というのも、受験期間中の症状の根っこは、からだがずっと過緊張でリラックスできていないことも大きな理由の一つです。緊張が続く限りは、別の症状があらわれます。

当院では、受験鍼灸マッサージはリラックスのサポートがメインです施術に加えて、②体調を客観視することと、③受験スケジュールに合わせて調整することを行なっています。

①施術
施術は通常どおり、マッサージとはり・お灸を組みあわせます。針が怖い場合は、マッサージだけでの対応もしています。

全身をゆるめますが、若い方は背中がくすぐったいなどNGの場所もあります。その時は手足と頭だけで肩こりや腰痛にアプローチしています。

②問診と見立ての説明

問診では、どこがどのように辛いかを聞きます。自覚している元気度合いや気分もチェックします。

そのあと、あおむけに寝て、お腹と首と手足をさわり、気の流れを調べて、心と身体の状態を推測します。その情報をもとに施術を組み立てます。

この見立ては施術の前と後に説明します。受験生に限らずですが、さまざまな症状を抱えている時は、とても不安です。受験生の場合は、「精神的に弱いからこのような症状に悩むのかも」と思うケースもあるようです。

ですが、ほぼ全てのケースで精神的な弱さからくる不調と見立てたことがありません。努力不足と追い詰められているケースもありますが、東洋医学や生理学で心と身体の関係を伝えると、不調の理由を理解して安心するようです。施術後もリラックスできるように、この説明の時間も大事にしています。

③スケジュールに合わせて調整する

これまでの経験から、からだが意識的に緊張状態を保てる期間は、長くて3ヶ月ほどと仮定しています。これ以上長くなると、燃え尽き症候群のような疲労感を強く感じる場合もあります。

そこで大学の受験スケジュールに合わせて、頑張るスイッチをどの時期に入れるかを考えます。

特に大学受験は、受験ルートが多岐に渡ります。指定校推薦、AO、共通テスト利用、一般入試のどれがメインかで体調管理のスケジュールが変わります。

例えば一般入試が2月前後に集中するのに比べて、AO入試は8月以降11月前後が多い印象を受けています。この記事を書いているのは7月下旬ですが、どの入試を選ぶかで8月のからだの緊張が変わってきます。

実は今年は、我が子が受験生です。高校や塾だけでは、入試スケジュールの把握が難しいということがわかりました。かといって時に100ページに及ぶ募集要項から、必要な情報を見つけてくるのは至難の業。親の出番が思っていた以上に多くあります。

そこで今年は、希望する大学情報を一緒に調べる時間も作っています(こちらはセッション枠を利用しています)。

今の課題や入試までのスケジュールが具体的にわかってくるので、この作業も不安軽減に一役買っているようです。

親に言えない悩みを聞く

施術は主にご自宅のリビングで行います。ほとんどの場合、保護者の方は同じ空間にいます。

時に「五十嵐さんと2人だけにしてほしい」と言われることがあります。その時は保護者の方の同意を得た上で施術を行います。

高校受験と大学受験は思春期まっさかり。精神的にも親からの自立を試行錯誤している時期です。なので、親子の確執も葛藤もあって当たり前です。

私の施術に限ったことではなく、鍼灸マッサージは、不思議と本当の気持ちや想いを言葉に出したくなる時間でもあります。

その時の悩みをそっと吐き出せることでからだの緊張がゆるむこともあるので、自然な流れに任せていますし、意見を伝えることもあります。

親に聞かれたくないことですから、2人きりで話されたことは基本的には誰とも共有しません。ただ施術回数や今後の見通しなどは、体調の情報と合わせて保護者と共有しています。

子に言えない悩みも聞く

受験鍼灸マッサージは子どもがメインと思われていますが、保護者の方も整えた方がいいケースがあります。

受験生は自分に自信がない時は、保護者の言葉や表情を過剰に気にします。

でも保護者の心と身体も、受験生と同じか、それ以上に不安定です。保護者への施術やセッションは、一見子どもの体調に無関係なようですが、子どもの環境を整える作用があるようです。

合格が成功・不合格が失敗じゃない

受験鍼灸マッサージは、合否は無関係です。偏差値も関係ありません。

そもそも受験に注目したのは、この時期が妊活同様にトラウマや失敗体験として語られることが多いと気づいたからです。

行きたかった大学を諦めた。
大学に入ってから後悔した。

その理由は人それぞれなのですが、黒歴史になっていました。

お金も時間もかけて頑張って挑んだ経験を、どうやったら肯定できるか。

その方法の一つとして受験鍼灸マッサージを掲げています。

嫌なことから逃げているわけではありません。受験に向けて戦略的にリラックスして、自分で決める力を蓄える。試行錯誤して結論を出す過程を経ると、結果が全ての世界とは違う物語の主人公になります。

「やれることをその時精一杯やった」と思える時間を。

その選択を肯定的に捉えるサポートが、当院の鍼灸マッサージの役割です。

【施術の回数・期間】
体調や受験時期によって回数は変わってきます。
多い場合は1ヶ月に3回前後、少ない場合は3週間前後に一度です。
セッションは施術に合わせて1時間ほどの枠で取ることが多いです。

また一般入試の場合は、受験1ヶ月半前からは感染対策で施術を休止します。年内の施術をご希望くださると、スケジュール調整までの段取りが組みやすいです。











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