【受験鍼灸】同じ空間でバラバラな時間を過ごすことは大変

大学受験を目指す高校生たち。いよいよ受験モードに突入してきました。ここからは待ったなし。

なのですが、

体調不良を訴える子もチラホラ。施術がキャンセルになるケースも。そこで今回は関わったケースを一部加工して、高校生たちが今どんな状況に置かれているのか、体調の背景を受験制度を交えてお伝えします。

目次

頭痛・腹痛・吐き気・寒気・だるい

『発熱はないけど、学校には行けないほどしんどいです。』

関東首都圏は2023年10月、感染症が流行って学校閉鎖や学級閉鎖が相次いだので、まずは感染症を疑わざるを得ませんでした。

体調のやり取りの中で施術できると判断して伺ったところ、確かに何かしらの不調が起きていました。

力が入らない。とにかく起きられない。食欲はあるけど、元気じゃないし、熟睡もできなかった。とのこと。

血圧は正常範囲内(低くない)。体温も平熱。

脈は興奮状態で緊張状態を想像するけど、本人の自覚症状とは全く異なる。さて、どうしたものか。

ガス欠の身体

見立てからは、ガス欠を推測しました。基礎体力を上回る消耗が起きたと。

10月は模試が続き、同時に過去の模試の結果も返ってきて一喜一憂したし、もっと勉強を頑張ろうと負荷をかけたそうです。

「しんどいけど、もう少し頑張ってみる」

適切なタイミングで休まなかった結果、急に動けなくなったようでした。

本人は因果関係がわからなくて、突然起きた症状に戸惑っていました。

ただ自覚的にはメンタルはそれほど崩れていないとのこと。

見立てでは精神的な動揺が多少あったと推測できましたが、何より自律神経のバランスの崩れが大きいのと、やる気を支える経絡のエネルギーが枯渇が起きていそうでした。

タイミング良く施術の段階で回復傾向(猛烈な睡魔に襲われていた)だったので、施術後も寝てもらいました。

もともと喉を痛めやすいので、まとめてケア。疲労感がこれ以上出ないように、腰はほとんど刺激せずに火を使わないお灸で温める程度にしました。

後日体調を聞きました。
翌日はまだ本調子ではなかったけど、徐々に復活。リセットできたようです。定期的に見ているお子さんなので、急激な変化にお互い驚き、そして急激な回復にもびっくりしました。ただこれは、通常の回復モードとは異なると考えた方が良さそうです。受験モードが続く以上、緊張感なる中での回復でしょう。受験終了後はしっかりリセットをかけようと計画中です。

受験ルートが多様化して、身体にも影響していそう

高校3年生たちが置かれた状況は、体調にも影響を与えていそうです。

今の受験制度は、さまざまな入学ルートがあります。

総合選抜(条件を満たせば、学校を通して自ら応募できる入試。面接や小論文が中心になることもある)を含めると、半数近くが高校までの活動を活かして大学に入ることができます。


入学ルートが違うため、進路決定の時期もバラバラです。


内部進学や指定校の多くは11月までには決まります。一般入試は、遅いと3月下旬まで合否がわかりません。

この4.5ヶ月の違いは、受験生たちにとって大きなものです。バイトや教習所やスポーツなどに時間が割ける子が目につく中で、ここから本格的な受験対応になる子もいる。

お互いに相手が羨ましくなったり、自分の選択に自信が持てなくなる時間になっていそうです。

頭でわかっていたその違いを実感する時期だけに、10月は戸惑いが多くてその影響が体調に出る子もいるのだと感じます。

悩みごと、みんなと同じか特殊かわかりにくい

受験生の保護者に限らず、子育て中の大人全員に知ってほしいことを書きます。

人は、自分がみんなと同じだと安心して、違うと不安感を持ちやすくなります。

個性や多様性と言いながらも、一方で【人と同じ】安心感に支えられて生きています。

今の高校3年生は、ちょっとした体調不良や不安感を学校や仲間とシェアしにくい環境で過ごしています。これって、意外と気持ちにダメージを与えやすいと思うんです。隣の芝生が青く見える。

この時期は自分が特殊な状況に置かれているのでは?と悩んでしまいやすいようですが、安心してください。みんな悩んでいます。自信持っていそうな子でも緊張しているし、焦っている子でもコツコツと積み重ねています。そういう意味では皆さん【他の人と同じ】です。

これからは緊張が続くと思っていい

四季に合わせて過ごし方が違うように、受験方法や受験までの日数でも過ごし方にコツがあります。

特に一般入試の場合は、これからが緊張期間です。入試終了まで続きます。

緊張は決して悪いものではありません。勉強に集中しやすい、学んだことを理解しやすい時期でもあります。勉強にはもってこいのモードに入ります。

一方で興奮状態なので、どんなにリラックスしようと思っても完全なオフモードになることは困難でしょう。さじ加減が難しくなる分、体調には影響が出ます。

肩こりや腰痛や冷えは悪化しやすく、お腹を壊しやすい子は鼻炎を繰り返す子は症状が続くこともあるかもしれません。

また睡眠の質も落ちるでしょう。リラックスしにくいゆえに疲労が少しずつたまると思った方がいいです。

※気分転換したいからと寝る前に動画を見ると、かえって睡眠の質が落ちるので控えめにすることをお勧めしています。

これらは特殊ではなく、みんなに起きやすい症状です。【それは人と同じ】と理解してくださると、それだけでも緊張が減らせます。

受験鍼灸では【他の人と同じ】か、どれくらい違うかも一緒に考えています。

スポットでのご利用の場合は、施術とセッションを組み合わせます。
受験生モードとして起きる緊張は同じであっても、細かい対策は1人ずつ違います。塾や学校とは違う、身体からの視点も是非ご利用ください。


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