そこで今回は、この時期にみんなが抱えがちな体調について感じたことを書きました。当院に依頼する前にできることもまとめました。私の赤裸々な事情も書いてあります。どなたかのご参考になれば嬉しいです。
気になる大学の見学すら簡単ではない
プラチナチケットという言葉をご存知ですか?
簡単には手に入らないチケットのことを言いまして、人気歌手のコンサートなどで使われるのですが、「プラチナチケット」が別のシーンでも使われるようになりました。
それが、高校や大学のオープンキャンパスです。
受験生が志望校のオープンキャンパス(説明会や模擬講義)に参加するのにチケット争奪戦が起きています。
我が家がプラチナチケット化に気づいたのは、2020年の秋。コロナ禍で高校説明会が延期になっていざ開催されるとチケットが取れなかった事態に何度も悩んだ時でした。
今年再びその大変さの当事者になっています。大学選びの渦中ですが、気になる大学の授業や説明会はおろか、構内に入ることすら難しいところもあります。。
8月の受験生たち
さて、8月はそんなオープンキャンパスが続々と開催されています。受験生たちは、手にしたプラチナチケットで授業を受けたり、先輩から受験対策話を聞いたりしています。大学によっては施設見学もあって、保護者相談会も開かれているようです。
そんな時期の受験生たちの体調、あまりよろしくないです。
夏バテも加わっているので複合的な理由でしょうが、受験勉強に集中できずに焦ったり悩んだりする人が多いように感じます。
当人たちの悩みは「勉強に集中できない」です。
施術ではもう少し細かく聞き取り、悩みを体調や生活状況と紐付けます。その中で多かったのは、睡眠トラブルでした。
睡眠時間が長くなりすぎる人、朝方まで寝られない人、どちらも熟睡感はあまりなく、頭がスッキリしていません。
ですがみんな起きたい時間がある。起きて朝から勉強したいのに、できない。その結果「勉強に集中できない」と悩んでいました。
夏休み 脳が全く 休まらない
詳しく症状を聞き取っていくと、脳が全く休めていないことも共通していました。
常に何かを考えています。
「本当にこの学科に行きたいのか」
「行きたい大学には今から勉強しても間に合わない」
「もっと偏差値が高い大学を目指した方がいいのだろうか」
「どう勉強したらいいかわからない」
「大人がうるさい。その声で不安になる」
大学なんてどこでもいいと言っている子ですら悩んでいました。「そんなふうに決めて良いのだろうか」と。
塾や学校では夏休みは本格的な受験勉強シーズンだと言われているのに、言われているからこそ、グルグル悩んでいる自分を否定して焦っている。そんな状態なので、脳が全く休めていないのだろうなと感じます。
熟睡していない理由は
共通点は他にもありました。受験生たちは腰のある部分がとても硬い。でも多くの子が無自覚でした。
そのエリアを私は「ストレス性腰痛で反応する場所」とよんでいます。
ストレスは身体にとって心地よくない状態の総称で必ずしも精神的な問題ではありません。
でも8月の受験生たちは、自分で自分に過剰なプレッシャーを与えたり葛藤していて、精神的にリラックスできていないことも関連していそうです。
このような時、身体は興奮モードです。緊張が続いているとも言えます。
熟睡できない理由、それは受験生たちが置かれた立場とも無関係ではありませんでした。
8月はたぶんゆらぐ
受験生に限らず、からだをスッキリさせるのが私の役目ですが、受験生たちは根っこにある焦りや不安感との戦いで、すぐにまたからだを硬くします。
施術だけでは、リラックスのスイッチが入りにくい。今年は多くの子達を見ているので、特に課題を痛感しています。
そんな中、ツボのセルフケアや施術を小手先に感じることがありました。
もちろん小さな対策も有効だし、施術中もリラックススイッチを探しきました。だけど同時に根っこにある焦りや不安を、受験生が自らどう整理していくかが欠かせないのではないか。
8月は受験勉強に本腰を入れてほしいと受験生たちを追い込みがちですが、オープンキャンパスに行ったら、進路を迷って当然ですよ。
トイレが汚いと思っただけで「思っていたキャンパスライフとは違う」となるだろうし、学食が美味しければ「受験したいかも」と思うだろうし、先生や先輩が素敵なら憧れたりする。
オープンキャンパスに行けなくても、その大学を選ぶことをイメージして自分の現状とすり合わせて葛藤するのは自然です。
選んだ産業の現状で悩むのも、自分を大切にしているからこそ。
それらの葛藤を無かったことにしないで、しっかり向き合う。
8月だからこそしっかりと悩んでもいい。そう思うことが、緊張をゆるめるのに何より欠かせない気がしています。
子どもが体調不良を訴えたら
8月に限らずですし受験生にも限らずですが、お子さんが体調で気になることが続いた場合、まずは身体に不調が起きていないかをチェックしましょう。
お腹にトラブルがある場合は内科(小中高生は小児科になることも)、生理トラブルがある場合は婦人科、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の持病がある場合は耳鼻咽喉科です。整形外科や皮膚科の症状もあるでしょう。
病院で何かの異常が見つかった場合は、そちらのケアが優先です。
内容によっては受験前に対応するもの、受験まで経過観察をするものと分かれてくるので、ぜひ医療機関でご相談ください。
睡眠トラブルも、まずは内科や小児科の受診をおすすめします。地域によっては、睡眠専門病院も選択肢です。
心療内科は子どもが対象外の病院も多く、数ヶ月待ちのケースもよく聞きます。子どもも受診をしぶりがちなので、対応がとても悩ましいです。ですが、選択肢として頭の片隅に入れておいてください。
この仕事をしていると、さまざまな理由から薬を使いたくないという意見をたくさんいただきます。私も子ども時代に薬が合わずにしんどかった経験があります。できることなら回避したいというお気持ちはわかります。
それでもおすすめするのは、病院は薬とマッチングしない場合でも、病院での定期チェックが安心感につながるケースも知っているからです。
保護者だって相当しんどい
実は我が家の受験生は、7月に持病で入院、手術をしました。
子どもの体調トラブルが次々と起きた時、仕事上の悩みも加わって私自身も心身のバランスが崩れました。今年は心療内科とカウンセリングルームに通っています。
そんな中気づいたことがあります。子どもの葛藤は、私の葛藤そのものだと。
遠くに行きたいと言えば一人暮らしできるのか、治安は大丈夫かと心配して、近くの大学といえば将来に不安になる。
大学院進学を目指したいと言われたらお金の心配で寝られなくなったし、4年で終了したいと言われたら日本の政治に憂鬱になる。
どういう状態なら絶対的に安心かというビジョンもないまま、不安だけが増えています(進行形です)。
でもこれもまた、真剣に子どもについて悩んでいるから起きているのだろうなと思っています。
このゆらぎは、本音を言えば避けたかった(しんどいから)。でも起きたのだから、ちゃんと向き合っていきたい。
心療内科とカウンセリングは、身体の状態と心の認知を客観的に見てくれる場でした。鍼灸マッサージのケアも同時に受けているし、お灸でセルフケアも続けています。
保護者も相当にしんどい。この視点って結構大事で、その大変さに気づくと肩の力が抜けることもあるでしょう。
受験生たちも同じように力を抜いていけたらいいな、と願っています。
受験生向けのケアはキッズケアが基本です。所要時間は本来は90分枠ですが、ほぼ全員超えます。身体のケアは延長料金は発生していません。
保護者や本人と体調やケアについて詳しく話す場合は、セッション枠を追加しています。概ね60分枠でキッズケアと同日に取ります。
一度体験したいという方も安心してご依頼ください。最適な回数のご提案はしますが、1回限りの場合でも対応は同じです。その先の見通しやケアを一緒に考えましょう。
お子さんにすすめにくい場合は、まずは保護者の方のケアをおすすめします。上に書いた通り、保護者も相当に疲れています。保護者のからだのリセットも結果的に子どものケアにつながっているケースが多いので、ぜひ。