顔の針は美容鍼灸が有名ですが、見た目を改善させることだけが目的ではありません。眠れない時や、緊張している時などにも活躍します。今回は、当院での施術をまとめました。
こういう時に使います
顔の針を使う時は大きく分けて2種類あります。
ひとつ目は、首から上に気になる症状が出ている時です。
顎関節に違和感がある・副鼻腔炎で頭が重い・顔面神経麻痺でうまく噛めない・(整形外科での)鼻骨骨折矯正後の顔の痛みなどで使っています。
ふたつ目は、自覚症状は違う部位だけど、顔の緊張との関連性が高い時です。
例えば肩こりや腰痛、腕のしびれは、顔の筋肉とは無関係そうですけど、実は深くつながっています。疲労が濃い時や、睡眠トラブルがある時も積極的に使います。
首から上に症状があっても、あえて顔に針を打たない時もあります。例えば頭痛や三叉神経痛、耳鳴りやめまいなどは、かえって悪化する場合もあるので、病院での受診歴などを聞きながら慎重にアプローチしています。
使う針は細くて短い
針は、市販されている針で最も細い0.10mmと、次に細い0.12mmです。
針の長さは15mmと 30mm、深さは数mm〜2cmまで。
2cmだと「深い!」と驚かれるでしょうが、斜めに刺しているので、実際は深くても1cmほどです。
顔の針は、頭や生え際などにも刺します。症状によっては、顔ではなく頭だけに刺すこともあります。本数は10本で済むこともあれば、40本刺すこともあります。
痛みは?
細い針ですが、顔に刺すため弱い刺激にも反応することがあります。
また、重く響くこともあります。
美容効果はあるの?
美容効果というと、たるみ、ほうれい線、しわ、目のくま、シミなどを想像しますが、実際はどうでしょうか。
個人的な印象をまとめます。
むくみが一時的に強かった場合や、身体の疲れが原因の場合は、顔のむくみやたるみを減らす効果は出やすいようです。40代半ばの女性が数年悩んでいたほうれい線、わずか1回の施術で目立たなくなったケースもありました
このように効果は出る時は出ますが、長期間悩んでいた症状や疲れが溜まっている場合は、効果は実感できない時もあります。
毛穴の凹凸や目の下のクマが改善されたケースでは、顔の針だけでなく、全身への施術を繰り返した中で改善された印象があります。
加齢による症状は、身体の使い方(噛み方も含めて)が影響しているので、見た目だけの変化を求める場合は満足ができないのではないでしょうか。
またシミは美容針で効果を出すのは難しいと感じます。基礎化粧品や皮膚科の処置の方が、美容鍼灸よりふさわしいケースもたくさんあるでしょう。
内出血が起きることも
顔の針のリスクを説明します。
針を刺すため、ごくわずかですが出血することがあります。
内出血が起きて、アザが残ることもあります。1週間前後で消えますが、体調によってはもう少し時間がかかることもあります。
刺す針が怖い時は?
顔は、貼る針やなでる針、マッサージでもアプローチできます。怖い時は遠慮なく教えてください。
一方深い(といっても1cmほど)はできないので、症状によってはご案内することもあります。
顔の症状はカウンセリング(観察と問診)が重要
他の施術でも同じことを言えますが、美容も含めて顔に気になる症状があるときは、カウンセリングがとても重要です。効果は目見にえるとは限りません。本当に気になる部位や困りごとが、自覚できていないこともあります。
美容目的の場合は施術とカウンセリングに時間がかかるため、からだコースでのみ追加料金を頂戴しております。(2023年8月時点 +2500円)