1. 診断名に左右されず、気になる症状と困りごとに向き合います
2. 施術プランは、一人ひとり作成し、症状の変化に合わせて柔軟に調整します
3. 日常生活へのアドバイスは、その人に合った無理ない方法を一緒に考えます
4. キッズケアは心地よい刺激を心がけ、「からだを良くするためでも、我慢しない」ことを大切にしています
起立性調節障害とは
ODの症状には頭痛、立ちくらみ、めまい、朝の起床困難、怠さ、食欲低下、失神などがあります。
日本小児心身医学会
症状は、午前に強く午後に軽減する傾向があります。また、立ったり座ったりすると症状が強まり、横になると軽減します。雨の前など気圧変化の影響も受けやすいことが特徴です。
夜に目がさえて寝られず、起床時刻が遅くなり、悪化すると昼夜逆転生活になることもあります。
起立性調節障害は同じ診断名でも、症状別にいくつかのグループに分かれ、程度もバラバラです。中には少し歩いただけでも横になる必要がある場合や、10年以上症状を抱えて過ごしたケースもあります。
日本では思春期に発症しやすいことから、学校の通学や勉強の困難さと結びつくことも多く、海外と比較して子どもの症状として知られているようです。起立不耐症・起立性調節障害の実態調査分析(PDF)
当院の向き合い方
あわてずにじっくり身体を育てる
当院は、学校に行けなくなった子や、受験前の睡眠障害などに悩む子の診断名として起立性調節障害に関わってきました。
起立性調節障害は、短期間で改善するケースもありますが、基本的には数年単位での改善を目指します。
これは、発症した時点での症状は改善されても、進学など環境が変わったときも「また同じ症状に悩むのではないか」と不安を覚えるケースが珍しくないからです。
基本的には数年単位での改善を目指します。心身の成長期ですから、さまざまな症状の変化を前提としつつ、学校スケジュールや受験までの残り時間など短期的な目標も設けて、ライフイベントと身体との折り合いを探します。
施術方針
疲労感の改善と気になる症状の緩和
まずはため込んだ疲労をじっくり回復させます。頭重感や肩凝り、腰痛、動悸などの症状には優先順位をつけて対処します。
体力が回復したら、日常生活に戻る準備を開始します。
回復するまでの時間は、人によってものすごく差があります。起立性調節障害は、身体症状以上に社会との折り合いで悩むことがあります。焦りや頑張りたい気持ちを尊重しながら、体調に合わせてケア内容を調整します。
施術内容
起立性調節障害の施術は、マッサージや火を使わないお灸、刺さない針など、全身への軽めの刺激から始めます。
子どもによってはくすぐったかったり、気持ちよくない部位もあるので、本人が心地よい施術を選びます。
はりが効くからなど、無理に我慢させることはしません。安心して受けられる施術内容を重視しています。
施術間隔
起立性調節障害の一般的な施術間隔は次のとおりです。
ため込んだ疲労をゆるめる
この期間は寝たきりになることもあり、本人も保護者も不安になることが多いため、情報交換を行いながら短い間隔で施術を行います。
その子にとって最適な生活リズムを探りながら、体調を合わせていく
疲労感が減り体力が回復してきたら、施術間隔を徐々に広げて生活リズムを見直します。
学校に再登校したい場合は、学校生活再開時の緊張や不安による体調の変動も視野に入れ、長期的な目線で少しずつ施術を調整します。
ゆり戻しを最小限に抑えられるように、体調を整える
起立性調節障害は、学校行事や受験スケジュールにも影響を受けるため、症状の悪化を防ぐために定期的なケアを行います。
こんな時は病院へ
当院は心と身体のつながりを重視しており、気分の落ち込みや感情の浮き沈みにも対応しています。
ただし、症状によっては早めに児童精神科や小児科の受診をおすすめしています。
一方でこれらの専門科の受診には数ヶ月待つことが多く、その間に症状が悪化するケースもあります。心当たりがある場合は、早めに受診先を探しながら、当院の施術を併用することで、より効果的なサポートを目指します。
保護者へのサポート
起立性調節障害は、通学や受験の大事な時期に体調を崩し、保護者にとっても大きな負担となります。
子どもの症状が長期化すると、保護者も疲労をため込み、体力の低下や持病の悪化が生じることがあります。
当院では、保護者自身への身体のケアとオンライン相談枠をご用意しています。
子どもに我慢をさせないように、大人にも我慢をさせずに労わることで、子どもにとっての安全な居場所作りをサポートします。