市販のセルフケアグッズの正直な感想と、おすすめの使い方をご紹介します。
今回は出張治療で聞かれた商品3点。お顔やボディ用のカッサを試しました。私たち鍼灸師は顔のツボを美容以外でも使います。皆さんの症状も当てはまるかもしれません。記事の後半では、カッサの選び方もご紹介しています。
試したのはこちら3点

- 雑誌付録のカッサ
〜乾電池をセットしてスイッチを押すと振動します。 - DAISOのカッサ(お顔用)
〜写真には載っていませんが、握る部分の反対側にも突起があり、頭を刺激できる商品です。 - DAISOのカッサ(ボディ用)
〜パッケージには、二の腕を滑らせて使う方法が載っていました。
01 電動カッサ :厚みで振動が分散されてしまう
感想と使い方をまとめました。

振動の効果を肌に伝えにくい
こちらの商品はコロンとした丸みで握りやすく、手のひらに安定して収まりました。縁のカーブに指を入れると持ちやすく、刺激しやすいフォルムでした。
お顔のカッサは「均一な圧で肌の上を滑らせる」道具です。そのため、肌にあたる部分の素材や厚みが重要になります。
こちらのカッサは、圧が均一に分散しにくく自然と力が入りました。
また振動刺激も手が振動を感じる割には肌を刺激できていないようでしした。強く握ったり、押しつけないといけないのでは、肩や背中に力が入りました。
顔の肌は、弱い刺激が望ましいエリアです。強く刺激をすると、後から痛みが出たり、内出血を起こすリスクもあります。たるみなどを改善には、他の商品が望ましいと感じました。
お顔のポイント使いに◯
電動は軽く当てるだけで刺激し続けられるのが最大のメリットです。
おすすめは、眉頭から眉中央にかけての数カ所と、頬骨の中央から耳に向かっての数カ所です。骨に向かって下から上に軽く当てます。
1箇所に10秒ほど。顔の中央から外側に向かって左右ともに刺激します。
こんな人におすすめ
- 睡眠不足やイライラで眉間のシワが気になる人
- 首の付け根がこっている人
- 副鼻腔炎で鼻や喉に違和感がある人
- ほうれい線が気になる人
朝夕のどちらか、基礎化粧に合わせてのご利用はいかがでしょうか。
02 DAISO カッサ(お顔用): 抜群の握りやすさ。でもフチの厚みが残念
感想と使い方をまとめました。

考え抜かれたデザイン。握りやすいからこそ、肌にダメージがきそう
サイズや形がすごく考えられた商品です。女性の標準的な手のサイズの人が握りやすく、カーブも顔の形を考えて作られています。
また取手に頭を刺激できる突起もついていて、1つの商品でいくつもの使い方ができるように作られています。
でも肌上を滑らすような使い方をすると、強く押しつけたくなりました。肌や皮下組織を痛めそうです。
顔への刺激を考えた場合は、カーブの厚みとふちの丸みとが重要になります。これはプラスチック商品の限界かもしれませんが、少ない刺激ですうっと滑らせるには、厚みを削りたいです。こちらもポイント使いがいいと感じました。
頬骨周りのブヨブヨに、押し当てる使い方には◎
握りやすさとカーブを利用するなら、頬骨の下から押し当てるといいでしょう。
頬骨の下に当てたまま(固定したまま)、骨に向かって押し上げるように刺激します。
1箇所に10秒ほど。顔の中央から顎関節に向かって、基本的には左右両方を。
ついでに、裏側の突起で頭をポンポンと30秒ほど。髪の毛の生え際から、頭全体を軽く刺激するとより効果的です。
こんな人におすすめ
- 目の下のクマが気になる
- ほうれい線が深くなってきた
- しつこい副鼻腔炎
- 中耳炎になりやすい
- 歯が痛い(虫歯ではない。知覚過敏など)
03 DAISO カッサ(ボディ用):広いエリア用の商品だけど、ポイント使い向きかも
感想と使い方をまとめました。

考え抜かれたカーブ。その意図はわかる。けど
「女性が気にする二の腕や太もも、お腹、お尻などを心地よく刺激したい、しかも1つの商品で!」という意図が十分に感じられる力作です。
ですが滑らせて使うには強く刺激をする必要があり、組織を痛めやすいと感じました。カーブなどのこだわりはすごく感じましたが、プラスチック素材は素材の重みを含めてなめらかな刺激が難しいのかもしれません。
厚みと丸みを活かした末端の刺激に◯
手や足の指・甲・かかと周りなど、末端の骨ばった部分へのポイント使いにはおすすめです。手足の末端では、この商品の握りやすさやカーブ、厚みが最大限に活かせると感じました。
一般の方は面積の広い部分を気にするでしょうが、鍼灸マッサージ師は関節周りや手足で気になる部位と全体を同時に整えます。
手や足の指・甲・かかと周りなどは、大きな筋肉を効率よく動かす小さな筋肉の終着点(出発点でもあります)。何に効くとかではなく、全体の状態を整える時にも使えるツボです。
こちらの商品は、握りやすく厚みと丸みでポイント使いに適しています。色々な部位に押し当てて、「気持ちがいい」と感じたところを10秒ほど刺激しましょう。
こんな人におすすめ
- からだ全体が疲れている
- 肩こり・腰痛がひどい
- うまく寝られない
- 朝起きるのがしんどい
- どこがしんどいかわからない
- 色々な不調を抱えている
- 握力が弱い
手軽にトライするにはお値段も挑戦しやすい商品としてはおすすめしたいです。
カッサの選び方・使い方
ゆるツボがお顔用のカッサを選ぶなら、こういう商品をおすすめします。

顔には石がおすすめ
カッサはプラスチックだけでなく、金属・陶磁器・牛角など、様々な素材の商品が発売されていますが、天然石を加工した商品がおすすめです。
商品の種類も多く、厚み・重み・縁のカーブなどが肌に当てやすいからです。
また体温を伝えやすく、使っていて肌に馴染みやすい温度になる点もおすすめです。
直接手にとって買うときは、握りやすさや肌への当たり方をチェックするといいでしょう。
他の商品でも、握りやすさや肌への当たり方がお好きならばそちらをお買い求めください。
なお、オイルを使うと滑り過ぎて強く圧を加えたくなっちゃうかもしれません。なめらかに滑らすくらいがお顔にはちょうどいいので、刺激の強さにはご注意を。